本記事ではお手軽な気分転換としておすすめなのが時計のベルト交換について、メリットや実例、おすすめのベルトを紹介します。
ベルトは腕時計全体の印象を大きく左右するパーツなので、付け替えるだけで雰囲気が大きく変わり、新しい時計をもう1本買ったような気分を味わうことができます。
また、自分でベルト交換をする場合のやり方も詳しく解説します。
意外と簡単に出来、覚えておくと服を着替えるような気軽さで時計のベルトが付け替えられるようになってオススメです。
純正ベルトに交換する場合の料金についても、筆者が使用しているグランドセイコーについてメーカーに問合せの上確認しましたので、あわせてお伝えしたいと思います。
グランドセイコーのイメチェン(ベルト交換)、やってみよう!
- 月額4,378円(税込)からグランドセイコーをレンタル可能
- 2ヶ月半額キャンペーン実施中
1. ベルト交換のメリット
まずはベルト交換をすることでどんなメリットがあるのかについて説明します。
①時計の印象変化
ベルト交換によって得られるメリットとして一番大きいのは「時計の印象を大きく変えられる(=気分転換になる)」でしょう。
ベルトは腕時計全体の印象を大きく左右するパーツなので、ベルトを付け替えるだけで大袈裟でもなんでもなく、まるで別の時計のようになります。
新しい時計を買うほどお金をかけなくても、今お使いの時計のベルトを交換することで新たな時計を買うのと同じくらい気分をリフレッシュすることができるので本当にオススメです。
別の時計を買ったような気持ちになりますよ!
②シーンに合わせられる
続いて挙げられるベルト交換のメリットとしては「服装や利用シーンに合わせて変えられる」ことでしょう。
グランドセイコーのベルトは「黒革」か「メタルブレスレット」が主流ですが、
「黒革」はフォーマルな印象が強いので、ビジネスや冠婚葬祭シーンでは無敵なのですが、休日のカジュアルファッションには少し不釣り合いとなることもあるかと思います。
一方、グランドセイコー自慢の美しい輝きを放つメタルブレスレットはスーツにもカジュアルにも合わせやすく万能とも言えますが、その輝きが相応しくない場面も時にはあるでしょう。
そんなときは「ベルト交換」をして服装や利用シーンに最もマッチする時計に変身させてあげましょう。
③時計が長持ちする
ベルト交換のメリット3つ目は「ベルトをローテーションすることによって時計自体が長持ちする」ことです。
革靴やスニーカーと同じで、複数のベルトをローテーションしながら使うとベルトの劣化や汚れを抑えることができ、結果として愛用の時計を長く使うことができます。
以下の記事はグランドセイコーの各モデルの寿命について調査したものをまとめたものです。興味のある方はあわせてお読みください。
2. 実例紹介
次に実際にベルトを交換するとどのようなイメージになるのか実例を見ていきましょう。
シルバー文字盤×黒革
まずは「シルバー文字盤×メタルバンド」のモデルからご紹介します。
こちらは「SBGR051」という旧ロゴのモデルなのですが、メタルバンドから黒革に交換すると以下のようなイメージになります。
印象がガラッと変わりました。
シルバーの文字盤に黒の革ベルトがフォーマルな場にピッタリですね!
シルバーの文字盤②(GSセルフデーター)
こちらは1964年に製造開始されたグランドセイコーセカンドというモデルです。
黒革ベルトからネイビーのベルトに付け替えた例をご紹介します。
シルバーの文字盤にネイビーのクロコダイルベルト。爽やかで上品な組み合わせですね。
アイボリーの文字盤(SBGW231)
ベルト色は黒ですが、生成り(オフホワイト)などの明るい色のステッチが入っていると、柔らかくてカジュアルな印象になりますね。
こちらの方のように、ダイヤルの色とステッチの色を合わせるとまとまりが良くなります。
ホワイトの文字盤(アンティーク)
エレガントさとワイルドさを兼ね備えたクロコレザーのベルトで、 “堅い“ イメージのグランドセイコーの印象がガラッと変わります。
黒の文字盤(SBGV011)
今日はGSクオーツでちょっとお出かけ。オーダーしていてようやく出来上がったJCペランの革ベルトを付けました。いつも裏はラバーでオーダーするので汗ばむ季節でもなんとか乗り切れます😄#グランドセイコー#SBGV011 pic.twitter.com/h1rD7dHNfV
— 音写時 (@EXrtBk9PDKXbxWg) May 30, 2021
黒の文字盤に黒のレザーベルトというのはシックな組み合わせですね。
レディースモデル
イエローゴールドのケースに、深みのあるワインレッドがとてもよく合っていますね。
季節によって色や素材を替えるのは上級テクですね。
3. ベルト選び
ベルトを交換したときのイメージが沸いた後はいよいよベルト選びです。
ベルト選びにおいては、サイズ(幅)と素材を決める必要があります。
それぞれについて解説していきます。
①サイズ
【ラグ幅】を測る
ベルトの両端をはさむように、本体から2本の爪のようなものが突き出ていると思います。
これを「ラグ」といい、2つのラグの間隔(つまりはベルトの取り付け部分の幅)を「ラグ幅」といいます。
このラグ幅を、定規やメジャーなどを使い1㎜単位で測ります。
ラグ幅に対して、それよりも細いベルトであれば取り付け可能です。ただし、あまりにも細いものだとベルトが横にずれてしまい、結果としてバネ棒が一緒に動き、時計本体から外れてしまう危険性があります。
なお、ラグ幅に対して太すぎるベルトは取り付けらず、無理に取り付けるとバネ棒が外れて時計が落下する原因となります。
こういったリスクを回避するためにも、ラグ幅にしっかりと合ったベルトのサイズを選びましょう。
時計店などでベルト交換する場合はラグ幅を測ってもらうことも出来ます。
②素材
大きく分けてレザー、ラバー、ナイロンの3種類あります。
レザー
レザー素材は軽く、サイズ調整もベルトの穴で比較的簡単に出来ます。
一方で、水分にも乾燥にも弱くデリケートです。使った後はそのままにせず、柔らかく乾いた布で拭きましょう。
一言で「レザー」と言ってもレザーには以下の種類があります。
・カーフ(牛革)
生後6ヶ月以内の子牛の皮のことで、非常にやわらかい風合いをもち、型押しなど様々な加工が可能です。
・クロコダイル(ワニ革)
独特のウロコ模様が特徴で高級感があります。ワニのどの部位の革を使うかによって模様も価格帯も異なります。ちなみに、牛革等にクロコダイル模様を型押し加工したエンボスレザーもよく使われる素材です。
・コードバン(馬革)
馬の腰部の皮。繊維組織が非常に緻密で牛皮の2倍の強度。見事な光沢が特徴で、エレガントな印象です。
ナイロン
タフでスポーティな印象です。汚れや汗に強く、洗うこともできます。
引き通し式のデザインのものは特に「NATOベルト」とも呼ばれ、NATO軍の腕時計に使われていたミリタリーベルトが名前の由来となっています。
ラバー
夏場におすすめの素材です。
汗や水に強いというのはナイロン素材と同様ですが、ラバー素材は乾きが早いのでダイバーズウォッチやスポーツコレクションとの相性が良いです◎
4. グランドセイコー純正品のベルトについて
グランドセイコーの純正ベルトについてカスタマーセンターに問い合わせたところ、SEIKOショップで取り寄せにて購入が可能とのことでした。
ちなみに筆者が使っているSBGT037の場合、幅は19㎜で値段はバックルと合わせて7万円くらい、工賃が別途3,000円かかると言われました。
気軽に交換できる値段ではなかったので、純正品以外のベルトのおすすめについてご紹介していきます。
純正品のベルトは結構高くて、気軽には交換できませんね…
5. 他社製ベルトのおすすめブランド
純正品だとかなり高額になってしまったり、バリエーションが少ないため、個性を出したい方やそこまで純正にこだわりがない方は、他社製のベルトを検討してみましょう。
ここでは、純正品以外のおすすめブランドをご紹介していきます。
HIRSCH(ヒルシュ)
ヒルシュ社は、1765年創業のオーストリアの老舗ブランドです。
2010年のバーゼルワールドフェアで世界初の100m耐水アリゲーター革ブレスレットを発表するなど、多くの革新的な製品を世に送り出してきました。
色も素材もバリエーションが豊富なのが特徴です。素材が変わると同じカラーでも雰囲気が違って見えるので選ぶ楽しみが増えます。
おすすめ①
・GRAND DUKEは迷ったらコレ!の定番人気コレクションです。
・アリゲーター型押しの高級カーフ。
・ウォータースポーツもOKの100M耐水。
おすすめ②
・TIGERは表材に高耐久性カーフレザー、裏材にプレミアムカウチューク(天然ゴム)を組み合わせた新感覚のコレクションです。
・通気性がよく夏場にピッタリ。
BONETTO CINTURINI(ボネット・シンチュリーニ)
ボネット・シンチュリーニ社はイタリアにおいて35年以上の歴史を誇り、ラバーストラップを専門に制作、製造しています。
数多くのスイス・マニュファクチュールに現在でもOEMとして納品されている高品質のラバー素材ベルトです。ラバー特有の不快な匂いがなく、バニラの香りがするのが特徴です。
・ダイヤパターンとプレーンの2WAYで楽しめます
・約4.0mmと厚みがあるのでダイバーズウォッチとも好相性
MORELLATO(モレラート)
モレラートは本国イタリアで全時計宝飾店の約80%で取り扱われ、約50%のシェアを占めるブランドです。
イタリアならではのデザイン・発色はもちろんですが、そのバリエーションの豊富さが特徴で、シーズン毎に数種類の新作を発表しています。価格も3,000円台からとリーズナブルなのも魅力です(出典元:公式サイト)
・迷ったらコレ!不動の人気を誇るBolle(ボーレ)
・アリゲーター型押しの高級カーフ
・カラーは17色展開
CASSIS(カシス)
カシスとは1995年に東京で創業された株式会社シンシアが、世界中の優れたアイテム群から厳選した商品を扱うオリジナルブランドです。(出典元:公式サイト)
・TYPE NATO LXはしなやかでツヤがある高級感あふれるベルト
・高級時計にもピッタリ
6. ベルトの交換方法
必ずしもメーカーや時計修理専門店で対応してもらう必要はなく、専用の道具と説明書があれば自分で簡単に出来ます。
コツを掴めば、まるで洋服を着替えるようにベルトを替えて楽しむことができますよ。
①セルフ(自分で交換)
使用する道具
多くの時計はバネ棒の先がラグ穴に嵌まって突っ張る事でバンドを固定しています(トイレットペーパーホルダーのようなイメージ)ので、「バネ棒外し」という専用の工具が必要です。
100円ショップにも売っていましたので、近くにお店がある方は先にそちらを試してもいいかもしれません。
※ベルトを購入すると「バネ棒外し」同梱してくれるお店もあるので、事前に確認してから購入しましょう。
交換方法
【STEP0】
バネ棒はスプリングを使用しているため、外す際や取り付ける際に部品が飛んでしまう危険性があります。そのため、作業を開始する前に机の上を綺麗に片づけて紛失を防ぎましょう。
また、目に入ると危険なのでメガネやゴーグルを付けて作業することをおすすめします。
【STEP1】
バネ棒外しを使って元のベルトを本体から外します。
【STEP2】
替えのベルトにバネ棒を通したら、まず片側をラグ穴に引っ掛けます。
【STEP3】
逆側をバネ棒外し(Y字側)を使って押し下げながら、カチッと音がしたらOK。替えのベルトをラグに取り付けます。
【STEP4】
ベルトを引っ張ってきちんと嵌まったことが確認出来たら作業完了です。
②お店に頼む
細かい作業は自信がない、万が一大切な時計に傷がついたら困る…という方はプロに頼むのが一番です。例えば以下のようなところで交換してもらうことができます。
・ミスターミニット…同店でベルトを購入すると無料で交換してもらえます
・ヨドバシカメラ…同店で購入したベルトは交換無料。他店購入品は1100円で交換可能。
その他にはホームセンターやショッピングセンター内の時計店でも他店購入のベルトの交換を受け付けてもらえる場合がありますので問い合わせてみましょう。
7. まとめ
いかがでしたでしょうか。
セイコー愛用者と知られるテリー伊藤さんも、ベルトを変えて自分好みにカスタマイズしているそうで、グランドセイコーの50周年記念イベントでは、赤いベルトでカスタマイズしたグランドセイコーを身に着けていらっしゃいました。
合わせるベルトの素材(レザー、ナイロン、ラバー)やカラーなどでその組み合わせは無限大です。愛用されているグランドセイコーのカスタマイズについて、どんなものがいいか考えるのはとても楽しいですよ。