本記事について
国産のきちんとした時計を購入しようとする場合、グランドセイコーとザ・シチズンのどちらがいいか迷っている方も多いのではないでしょうか。
GSかザシチかどっちにしよう pic.twitter.com/6NoKvx78UM
— カジ (@nao4415) January 10, 2022
本記事ではグランドセイコーとザ・シチズンのどちらを選べばいいのかという究極のテーマについて、人気の理由、デザイン、ブランドイメージ、価格、アフターサービス等の観点から両者を徹底比較していきます。
購入後に後悔しないようにそれぞれの特徴を知り、自分に合った時計選びに役立ててください。
基本情報
両ブランドの比較をする前に、まずはそれぞれの基本データを簡単にご紹介します。
■ グランドセイコー
グランドセイコーは「最高の普通」そして「実用時計の最高峰」をコンセプトに掲げ、見やすさ、使いやすさ、美しさといった腕時計本来のあり方をとことん追求してきました。
グランドセイコーを一言で表現すると「人気・知名度ともにナンバーワンの国産高級時計」となります。
時計メーカーSEIKOの最上位シリーズとして、盤石な人気を誇っています。
本社 | 日本 |
創業年 | 1881年 |
初代モデル発売 | 1960年 |
価格帯 | クォーツ式:20~30万円 機械式:50~70万円台 スプリング・ドライブ式:50~80万円台 |
代表モデル |
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■ ザ・シチズン
ザシチズン(The CITIZEN)は、シチズンの創立65周年に同メーカーが持ちうる技術のすべてを結集して誕生しました。
「共に一緒に生きていくこと」をコンセプトに掲げ、時計業界初の10年間無償保証や定期的な電池交換が不要となる「エコ・ドライブ」など人生に寄り添うための多彩な特徴を備え、「マイスター」と呼ばれる一流の時計職人の手によって一つひとつ丁寧に組み立てられています。
2020年にはブランド誕生25周年を記念して、光発電エコ・ドライブの先進技術と日本の伝統工芸を融合させた限定モデルが発売され、話題になりました。
比較① 人気の理由
まずは、どのような理由でそれぞれの時計が選ばれているのか、そのポイントをご紹介します。
■ グランドセイコー
理由① コストパフォーマンス
グランドセイコーは機械式モデルで60万円台~と同品質の海外ブランドと比べるとかなりお手頃な価格で手に入れることが出来ます。
そのため、「価格に対する満足度が高い」と人気を集めています。
理由② スーツに似合う
最近はビジネスでもアップルウォッチやGショックを身につける人も多いですが、業種によってはNGである場合も。
また、一目でブランドものとわかるものもマナー違反となったり、相手に威圧感を与えてしまうことがあります。
そのため、業種を問わず周囲に好感を持たれる、スーツに似合うシンプルかつ上質な時計としてビジネスマンに選ばれています。
理由③ 実用性
グランドセイコーは「上品なデザイン」「見やすさ」「使いやすさ」「耐久性」「正確性」といった腕時計本来の在り方をとことん追求しており、高級時計でありながら毎日ストレスなく使い続けられる実用性に優れているという理由で選ばれています。
■ ザ・シチズン
理由① エコ・ドライブ搭載
太陽や蛍光灯などの光エネルギーを動力源とする時計のことをソーラー発電時計や太陽電池時計と言います。シチズンは1976年に世界初のアナログ式太陽電池時計を発売した、この分野のパイオニアです。
シチズンの独自技術である「エコ・ドライブ」は、一度フル充電すれば、光のないところでも長時間動き続け、一般的なクォーツ式時計のように定期的な電池交換をする必要がありません。
そのため、メンテナンスが楽で廃棄電池も減らすことが出来るので環境への負荷も小さくエコであることが支持されています。
理由② 10年間無償保証
高級時計を使用するにあたって避けては通れないのが通常3~5年に一度のオーバーホール費用や故障時の修理費用です。
ザ・シチズンはオーナーズクラブに登録することにより10年間の無償保証(自然故障時の修理や無償定期点検)を得ることが出来る点がグランドセイコーにはない大きなメリットと言えます。
比較② デザイン
腕時計を選ぶ際に最も重視されるのはデザインだと言われています。
グランドセイコーとザ・シチズンのデザインの特徴を見ていきましょう。
■ グランドセイコー
「グランドセイコーってどれも似たような見た目だな」と感じた人もいるのではないでしょうか?
実は、グランドセイコーは「セイコースタイル」と呼ばれるデザイン文法に沿って製作されているため見た目に統一感が生まれるのです。
そうして出来上がるグランドセイコーは、ひと目で大きなインパクトを与えるような奇抜なデザインではありません。あくまでもベーシックです。
しかし、実際に身に着けると "多面カットが施されたインデックス" や "他のインデックスの2倍の幅を持つ12時インデックス" など、ディティールの一つひとつが視認性を高めるために計算され尽くしたデザインであることがわかります。
・文字板デザイン
グランドセイコーはシンプルなデザインが特徴とお伝えしてきましたが、近年は日本の自然をモチーフにした文字板制作に力を入れ、他では見たことのない美しく独創的な文字板を次々に生み出しています。
その中でも最も有名なのが海外の時計コレクターから「Snowflake」と愛称で呼ばれるSBGA211です。
▼SBGA211についてはこちらの記事をお読みください
■ ザ・シチズン
ザ・シチズンでは電池交換の手間がかからないエコ・ドライブ搭載モデルが人気ですが、ソーラー時計はデザインがスポーティだったり、ガジェットっぽかったりしてビジネスには向かないのではと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、ザ・シチズンのデザインはビジネス時計の王道であるベーシックな3針タイプなので、ビジネスシーンでも違和感なく使うことが出来ます。
・和紙文字盤
和紙を文字盤に使用したモデルは、日本的な感性を持つザ・シチズン独自のデザインで人気を集めています。
比較③ ブランドイメージ
■ グランドセイコー
初代モデル誕生以来、半世紀にわたって培われてきた盤石なブランドイメージはグランドセイコーの魅力のひとつで、国産の高級時計としての知名度はナンバーワンといって良いでしょう。
また、海外の方がグランドセイコーの時計をレビューしているブログ記事やYoutube動画も数多くあり海外での知名度も着実に上がっているようです。
抜群の知名度を誇りながら腕時計本来の在り方をとことん追求している姿勢などから、『真面目で誠実なイメージ』を持たれているようです。
国内外問わず、悪い評判やクチコミを見かけることはほぼありませんが、強いて言えば外見のシンプルさゆえに「地味」と言われることがあるようです。
■ ザ・シチズン
ザ・シチズンは時計好きの間では有名ですが、一般的な知名度はあまり高くありません。国産の高級時計の購入を考える人が辿り着くブランドといったところでしょうか。
同じくシチズンの「アテッサ」の方が知名度は高いです。
「シチズンと言えば最先端技術」というイメージが定着しているので、ザ・シチズンに対しては『最先端技術の結晶』というイメージを持たれているようです。
時計を実用品と考える人にとっては最高の褒め言葉ですが、時計にステータス性を求める方にとっては少し物足りない可能性があります。
実際に購入した方の口コミを見ると満足度が高いので、周囲の評価よりも自身の利便性を求める方にとってザ・シチズンは最良の選択と言えるでしょう。
また、時計好きには有名なので、身に着けていると時計好きの熱い視線を集めることが出来るでしょう。
比較④ 価格
腕時計を購入する際、価格はデザインに次いで非常に重要なポイントです。
■グランドセイコー
ここ数年で高価格帯化が進んでいるものの、クォーツ式で20万円台~、機械式で約50万円台~購入できるモデルもまだまだ数多く揃っています。
■ ザ・シチズン
一番人気のエコ・ドライブ搭載モデル、クォーツ式ともに20万円台~販売されています。
2020年に加わった機械式モデルは約60万円で、機械式にしてはお手頃な価格設定です。
以上を踏まえると、グランドセイコーとザ・シチズンの販売価格は同程度と考えてよいでしょう(限定モデルを除く)。
しかし、前段でお伝えしたようにザ・シチズンには10年間の無償保証が付いているので、仮に同じ値段の時計を買った場合、トータルコスト(本体代金+オーバーホール費用)としてはザ・シチズンの方が安く済みます。
エコ・ドライブ搭載モデル
ザ・シチズンで人気のエコ・ドライブ搭載のエントリーモデルは税込み¥253,000です。
品番 | AQ4000-51E |
駆動方式 | 光発電エコ・ドライブ |
キャリバーNo. | A060 |
ケースサイズ | 横 38.5mm |
精度 | ±5秒/年 |
防水 | 10気圧防水 |
重さ | 137.0 g |
定価 | 253,000 円(税込) |
機械式モデル
時計好きの憧れはやっぱり機械式!
グランドセイコーの機械式のエントリーモデルは¥495,000(税込)です。
品番 | SBGW231 |
駆動方式 | メカニカル 手巻 |
キャリバーNo. | 9S65 |
ケースサイズ | 横 37.3mm × 厚さ 11.6mm |
精度 | 静的精度:平均日差+5秒~-3秒 (携帯精度:平均日差+10秒~-1秒) |
防水 | 日常生活用防水 |
重さ | 61.0g |
定価 | 495,000 円(税込) |
2021年に発表された新キャリバー「0200」を搭載したザ・シチズンの機械式モデルは¥605,000(税込)です。
品番 | NC0200-81L |
駆動方式 | 機械式 |
キャリバーNo. | 0200 |
ケースサイズ | 40.00㎜ |
精度 | −3~+5秒/日 |
防水 | 5気圧防水 |
重さ | 141g |
定価 | 605,000 円(税込) |
まとめ
本記事ではグランドセイコーとザ・シチズンのどちらを購入するか迷っている方のために、それぞれの特徴やメリット・デメリットについてまとめました。
両者ともに、飽きのこないシンプルなデザインで見た目に大きな違いはありません。
また、グランドセイコーとザ・シチズンともに品質面、機能性、デザインに優れた時計であることは間違いありません。
維持費を含めたトータルコストの安さでいえばザ・シチズン、さりげないステータス性を求める場合はグランドセイコーがオススメです。
筆者は仕事でもプライベートでもグランドセイコーの時計を身に付けていますが、年配の方や時計にちょっと詳しい方からは「お!良いの着けてるね」と褒められることも多く、最高のステータスにもなりますよ。
どちらも高級腕時計にしては手の届きやすい価格帯なので、両方とも購入してしまうという選択肢もありますね。
GSとザシチズンを所有して。
— GUMA@腕時計 (@Guma_watch) October 10, 2021
宝飾品としての輝きや存在感はGS。
ザシチズンは上質な道具感。端正な仕上げに、エコドライブ・パーペチュアルカレンダー・デュラテクトなどが心強い。
自分の使い方では、ザシチズンは普段の仕事を一層引き締まるものに、GSは綺麗な服に合わせて腕に輝きを与えてくれる。 pic.twitter.com/GH1ET5R93W